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医療コラム
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2025.03.15

【矯正治療とマウスピースの着色:原因と予防法】


こんにちは、岡山矯正歯科の院長 田川 淳平です。

マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しができるため、従来のワイヤー矯正に比べて審美性や利便性が高い治療方法として人気があります。

特に、仕事や学校などで人と接する機会が多い方にとって、透明なマウスピースは大きなメリットとなります。

しかし、多くの患者さんが矯正治療を進める中で気になるのが「マウスピースの着色」です。

マウスピースが着色すると、本来の透明感が失われて黄ばんだり、茶色く変色したりしてしまいます。

こうした変色は、見た目の問題だけでなく、清潔感にも影響を与えます。

せっかく目立ちにくい矯正装置を選んでも、マウスピースが汚れてしまうことでかえって気になるようになってしまうこともあるでしょう。

さらに、マウスピースの着色は口腔内の衛生状態にも関係しています。

着色が進むということは、汚れが付着しやすくなっている証拠でもあり、そのまま放置すると細菌の繁殖を助け、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性もあります。

特に、矯正治療中は口の中が普段と違う環境になりやすく、日頃のケアがより重要になります。

では、マウスピースの着色はなぜ起こるのでしょうか?

どのような生活習慣が影響を与え、どんな対策を取ることで防ぐことができるのでしょうか?

本記事では、マウスピースの着色の原因を詳しく解説し、日常生活の中でできる予防法、そして着色してしまった場合の対処法について詳しく紹介していきます。

矯正治療を受けている患者さんにとって、快適に治療を続けるためのヒントとなるような情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

  1. マウスピースの着色とは?
  2. なぜマウスピースは着色するのか?原因を解説
  3. マウスピースの着色を防ぐための習慣
  4. 着色してしまったマウスピースの対処法
  5. 矯正治療中の歯の着色にも注意!
  6. まとめ
マウスピースの着色の原因にはさまざまなものがあります。
マウスピースの着色の原因にはさまざまなものがあります。

1. マウスピースの着色とは?

マウスピース矯正は、患者さんごとにオーダーメイドで作られる透明な矯正装置を使用します。

しかし、このマウスピースは時間が経つにつれて変色することがあります。

特に、食事や飲み物、喫煙、口腔内の環境によって影響を受けやすく、しっかりとケアしなければ数週間で黄ばみやくすみが目立ってくることもあります。

マウスピースの着色は、見た目の問題だけでなく、使用感にも影響を与える可能性があります。

例えば、マウスピースが汚れてしまうと、口臭の原因になったり、衛生的に不安を感じたりすることがあります。

また、着色したマウスピースを長時間装着していると、歯にも影響を与え、結果的に歯の黄ばみを引き起こすこともあります。

1-1. マウスピースの着色が起こるパターン

マウスピースの着色にはいくつかの典型的なパターンがあります。

  1. 全体的に黄ばむ
    透明だったマウスピースが徐々に黄ばんでくるケースです。これは、飲食物や唾液の影響で起こることが多く、特にコーヒーや紅茶を頻繁に飲む方に多く見られます。
  2. 特定の部分が茶色く変色する
    マウスピースの縁や溝の部分に汚れが溜まり、茶色っぽく変色してしまうことがあります。これは、歯垢(プラーク)が付着していることが原因である場合が多く、しっかりと清掃しないとさらに汚れが溜まりやすくなります。
  3. 白っぽく濁る
    マウスピースの表面に微細な傷がつき、そこに汚れが入り込んで白く曇ったように見えるケースです。これは、歯磨き粉で強くこすったり、適切でない洗浄方法を続けたりすることで起こることが多いです。
  4. 部分的に黒ずむ
    喫煙者の方に多いのが、ヤニの付着による黒ずみです。タバコに含まれるタールがマウスピースの表面にこびりつき、落としにくくなるため、特に注意が必要です。

1-2. 着色しやすい人の特徴

マウスピースの着色が起こりやすい人には、いくつかの共通点があります。

  • コーヒーや紅茶、ワインなどを頻繁に飲む
    これらの飲み物には強い色素が含まれており、マウスピースに付着しやすくなります。
  • 喫煙の習慣がある
    タバコの煙に含まれる成分は、マウスピースの着色を加速させるだけでなく、口腔内の健康にも悪影響を及ぼします。
  • 歯磨きやマウスピースの洗浄が不十分
    毎日のケアを怠ると、マウスピースにプラークが付着しやすくなり、それが着色の原因になります。
  • 口呼吸の癖がある
    口呼吸をしていると、口の中が乾燥しやすく、唾液による自浄作用が低下するため、汚れが落ちにくくなります。

1-3. 着色を防ぐ重要性

マウスピースの着色を防ぐことは、矯正治療をスムーズに進める上でも重要です。

透明なマウスピースが清潔に保たれていれば、治療へのモチベーションを維持しやすくなり、しっかりと装着する習慣を続けることができます。

また、マウスピースの汚れを防ぐことで、口臭の予防や歯の健康維持にもつながります。

次の章では、なぜマウスピースが着色するのか、その具体的な原因について詳しく解説していきます。

着色したマウスピースのイメージです。
着色したマウスピースのイメージです。

2. なぜマウスピースは着色するのか?原因を解説

マウスピースが着色する原因は、単なる「飲食による汚れ」だけではありません。

日常の生活習慣、口腔内環境、さらには洗浄方法など、さまざまな要因が複雑に絡み合い、着色が進行していきます。

ここでは、着色の主な原因について詳しく解説し、それぞれがどのように影響を及ぼすのかを説明します。

2-1. 飲食による影響

日常的に摂取する飲食物の中には、色素が強く、マウスピースの透明度を低下させるものが数多くあります。

特に以下のような飲食物は、マウスピースの着色を引き起こしやすいので注意が必要です。

【着色しやすい飲み物】

  • コーヒー:カフェインとタンニンが含まれており、長期間の摂取で茶色い着色が発生。
  • 紅茶・緑茶・ウーロン茶:ポリフェノールが含まれており、飲み続けることで黄ばみが進行。
  • 赤ワイン:アントシアニンという色素が強く、深い赤色の着色を引き起こす。
  • 炭酸飲料(コーラなど):カラメル色素が含まれ、マウスピースの透明感を損なう。

【着色しやすい食べ物】

  • カレー:ウコン(ターメリック)が主成分であり、非常に強い黄色の着色を引き起こす。
  • トマトソース:リコピンの色素がマウスピースに付着しやすい。
  • ブルーベリー・イチゴ:天然色素(アントシアニン)が多く、マウスピースに影響を与える。
  • チョコレート:カカオ色素が着色の原因に。

これらの飲食物をマウスピースを装着したまま摂取したり、摂取後に十分な歯磨きができないままマウスピースを装着すると、マウスピースの着色が進みやすくなります。

特に、装着したまま飲食する習慣がある方は、早い段階で黄ばみが発生することが多いため、絶対に止めてください。

2-2. たばこのヤニによる影響

喫煙は、マウスピースの着色を引き起こす大きな要因の一つです。

タバコに含まれる「タール」や「ニコチン」がマウスピースの表面に付着すると、茶色や黄色の汚れがこびりつき、落としにくくなります。

さらに、以下のような影響も考えられます。

  • 着色が非常に落ちにくい:ヤニの成分は水や通常の洗浄では簡単に落ちません。
  • 口臭が発生しやすい:タバコの成分がマウスピースに染みつき、口臭の原因となる。
  • 歯茎や歯にも悪影響:タバコは歯周病のリスクを高めるため、矯正中の口腔環境を悪化させる可能性がある。

矯正治療を行っている間は、禁煙することが理想的です。

もし禁煙が難しい場合でも、少なくともマウスピースを装着しているときに喫煙するのは避けましょう。

2-3. 口腔内の環境と衛生状態

マウスピースの着色には、飲食物やタバコ以外にも、口腔内の環境が大きく影響します。

例えば、以下のような要因が着色を加速させることがあります。

  • 唾液の分泌量が少ない:唾液は口の中を洗浄する役割がありますが、分泌が少ないと汚れが落ちにくくなる。
  • 口呼吸の習慣がある:口が乾燥するとマウスピースに汚れが付着しやすくなる。
  • 歯垢(プラーク)が多い:歯磨きが不十分な場合、プラークが蓄積し、それが着色の原因になる。

口腔内の衛生状態を良好に保つことが、マウスピースの着色防止につながる重要なポイントとなります。

マウスピースはコーヒーや紅茶などによって着色します。
マウスピースはコーヒーや紅茶などによって着色します。

3. マウスピースの着色を防ぐための習慣

マウスピースの着色を防ぐためには、日々の生活習慣やケア方法を見直すことが重要です。

以下のポイントを意識することで、透明なマウスピースを長く維持することができます。

3-1. 着色しすい飲食物を避ける

すべての飲食物を制限するのは難しいですが、できるだけ着色しやすいものを避けることが大切です。

特に、以下の対策を取り入れると効果的です。

  • ストローを使う:直接歯やマウスピースに飲み物が触れるのを防ぐ。
  • 食後に水で口をすすぐ:色素がマウスピースに定着する前に洗い流す。
  • 飲食後はできるだけ早く歯を磨く:食べかすや色素が残らないようにする。

3-2. 正しいマウスピースの洗浄習慣を身につける

マウスピースの洗浄は、単に水洗いするだけではなく、適切な方法を取り入れることが大切です。

【やってはいけない洗浄方法】

  • 歯磨き粉を使ってゴシゴシこする → マウスピースに傷がつき、汚れが溜まりやすくなる。
  • 熱湯で洗う → 変形の原因となる。
  • 汚れが付いた後に放置する → 汚れが落ちにくくなる。

【正しい洗浄方法】

  • 専用の洗浄剤を使う(週1〜2回)
  • 水でしっかりすすぎ、やわらかい歯ブラシで優しくこする
  • 毎日マウスピースを清潔な状態に保つ

3-3. 禁煙を心がける

タバコの影響は非常に大きいため、可能であれば矯正治療中に禁煙するのが望ましいです。

禁煙が難しい場合でも、少なくともマウスピース装着時の喫煙は避けましょう。

3-4. 定期的に歯科医院でクリーニングを受ける

矯正治療中は、歯のクリーニングを定期的に受けることで、歯だけでなくマウスピースの清潔さも維持しやすくなります。

歯科医院で専用のクリーニングを受けることで、セルフケアでは落としきれない汚れをしっかり除去できます。

マウスピースの着色を防ぐためには、日々のケアが非常に重要です。

次の章では、すでに着色してしまったマウスピースをどのように対処すればよいのかを解説します。

4. 着色してしまったマウスピースの対処法

どれだけ気をつけていても、マウスピースの着色は完全に防ぐことが難しい場合があります。

「気づいたら黄ばんでいた」「マウスピースの端が茶色くなってきた」といった悩みを持つ患者さんも多いでしょう。

しかし、着色が発生した場合でも、適切な方法で対処すれば、マウスピースの清潔さを取り戻すことができます。

4-1. マウスピース専用の洗浄剤を使う

マウスピースの着色が気になる場合、市販の専用洗浄剤を活用するのが効果的です。

一般的に、入れ歯洗浄剤や矯正用マウスピース専用のクリーナーが販売されています。

以下の点に注意しながら使用すると、効果的に着色を落とすことができます。

【洗浄剤の選び方】

  • マウスピース専用のものを選ぶ(入れ歯洗浄剤の中には、成分が強すぎるものもあるため注意)
  • 強すぎる漂白剤は使わない(マウスピースを傷める可能性がある)
  • 泡タイプや錠剤タイプが使いやすい

【洗浄の方法】

  1. コップや容器に水かぬるま湯(温度は低め)を入れ、洗浄剤を溶かす。
  2. マウスピースを30分程度浸す。
  3. しっかりすすいでから装着する。

週に1~2回程度、専用の洗浄剤を使うことで、着色の軽減やニオイの防止につながります。

4-2. 歯科医院でプロのクリーニングを受ける

着色がひどくなり、自分では落とせなくなった場合、歯科医院でクリーニングを受けるのが最も確実な方法です。

歯科医院では、専用の超音波洗浄機や特殊なクリーニング剤を使い、マウスピースの汚れを徹底的に除去することが可能です。

5. 矯正治療中の歯の着色にも注意!

マウスピースの着色だけでなく、矯正治療中の「歯の着色」にも注意が必要です。

マウスピース矯正を行っている患者さんの中には、「矯正を始めたら歯の黄ばみが気になってきた」と感じる方も少なくありません。

5-1. 矯正治療中に歯が黄ばむ原因

矯正治療中に歯の黄ばみが目立つようになる原因として、以下のような要因が考えられます。

  • 唾液による自浄作用が低下する
    • マウスピースを装着していると、歯の表面に唾液が行き渡りにくくなり、着色が進みやすくなる。
  • 歯磨きの回数が減る
    • マウスピースをつけている間は歯磨きがしにくいため、ブラッシングの回数が減りがちに。
  • 飲食時の色素沈着
    • 食事の後、マウスピースを装着する際に、歯に色素が付着した状態で密閉されることで着色が進行する。

5-2. 矯正治療中の歯の着色を防ぐ方法

歯の黄ばみを防ぐためには、矯正治療中のセルフケアが重要です。

【こまめな歯磨きを心がける】

  • 毎食後にしっかり歯を磨く。
  • 着色しにくいホワイトニング効果のある歯磨き粉を使う。

【マウスウォッシュを活用する】

  • 色のついていないクリアタイプのマウスウォッシュを選ぶ。
  • 殺菌効果が高いものを使うことで、歯の表面を清潔に保つ。

【ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使う】

矯正治療中でも使用できるホワイトニング効果のある歯磨き粉を活用すると、着色を防ぐことができます。

ただし、研磨剤が強すぎるものは歯やマウスピースを傷つける恐れがあるため、歯科医に相談しながら選びましょう。

5-3. 歯の着色が気になる場合の対処法

もしすでに歯の黄ばみが気になっている場合、以下の方法で改善できる可能性があります。

  • 歯科医院でのクリーニングを受ける
    • 定期的にクリーニングを受けることで、歯の表面に付着した汚れを落とすことができる。
  • ホワイトニングを検討する
    • 矯正治療が終わった後に、歯の色が気になる場合はホワイトニングを受けるのも一つの方法。

矯正治療中は、マウスピースだけでなく、歯の着色にも気を配ることが大切です。

着色したマウスピースとしていないマウスピースの比較です。
着色したマウスピースとしていないマウスピースの比較です。

6. まとめ

マウスピース矯正は、審美性と機能性を兼ね備えた治療方法ですが、「着色」の問題は多くの患者さんが抱える悩みの一つです。

長期間透明感を維持するためには、日頃のケアや食生活の見直しが必要となります。

本記事の内容をまとめると、以下のポイントが重要になります。

6-1. マウスピースの着色を防ぐためのポイント

  1. 着色しやすい飲食物を控える
    • コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、トマトソースなどの飲食物は、マウスピースの着色の大きな原因となるため、できるだけ控える。
  2. 食後は必ず歯磨きをする
    • マウスピースを装着する前に、歯の表面の色素や汚れを取り除くことで、着色を予防する。
  3. 正しい洗浄方法を実践する
    • マウスピースを歯磨き粉でこするのはNG。専用の洗浄剤やぬるま湯(低い温度)で洗い、清潔な状態を維持する。
  4. タバコは控える
    • タバコのヤニは一度付着すると非常に落ちにくく、マウスピースだけでなく歯自体の着色の原因にもなる。
  5. 定期的にマウスピースを交換する
    • マウスピース矯正は定期的に新しいものと交換することで、清潔な状態を保つことができる。

7-2. もし着色してしまった場合の対処法

  • マウスピース専用の洗浄剤を使用する
    • 市販の専用クリーナーを週1〜2回使用することで、着色のリスクを軽減できる。
  • 歯科医院でクリーニングを受ける
    • ひどい着色がある場合は、自己流で無理に落とそうとせず、歯科医院でプロのクリーニングを受けるのが最善策。

7-3. 矯正治療中も美しい口元を保つために

マウスピース矯正は、正しくケアすれば清潔で快適な状態を維持できます。

透明なマウスピースが着色してしまうと、見た目だけでなく、矯正治療へのモチベーションにも影響を与えかねません。

そのため、毎日のちょっとした工夫を取り入れ、できるだけ着色を防ぐように心がけましょう。

また、矯正治療中はマウスピースだけでなく「歯自体の着色」にも注意が必要です。

ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使う、定期的に歯科クリーニングを受けるといったケアを取り入れることで、矯正治療中も白く美しい歯を保つことができます。

7-4. 最後に

マウスピース矯正を快適に続けるためには、日々の習慣を見直し、着色を防ぐ対策をしっかり行うことが大切です。

今回ご紹介した方法を実践しながら、理想の歯並びを目指して矯正治療を進めていきましょう。

もし着色が気になる場合は、自己流で対処せず、早めに歯科医に相談することをおすすめします。

美しい笑顔と健康な歯を手に入れるために、適切なケアを続けていきましょう!

当院では、一人ひとりの患者さんに最適な矯正治療を提案し、治療中も患者さんが相談しやすい快適な環境を作るよう心掛けています。

矯正治療に興味のある方はお気軽にご相談ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この記事を読んだ方が、より良い矯正治療を受けられることを願っています。

今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。

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