こんにちは、岡山矯正歯科の院長 田川 淳平です。
矯正治療を始めると、「痛みはどれくらい続くのか?」「耐えられないほど痛いのでは?」といった不安を抱く患者さんは少なくありません。
特に、初めて装置を付けた時や毎回の治療(調整)後に、強い痛みを感じることがあり、その影響で「寝れない」「食べれない」と感じることもあります。
本記事では、矯正治療中に感じる痛みについて詳しく解説し、どのように対処すればよいかをお伝えします。
痛みの程度、期間や具体的な対策などのアイデアを使いながら、少しでも快適に治療を続けるための情報を提供します。
- 矯正治療の痛みはどんなもの?
- 矯正治療の痛みはいつまで続くのか?
- 矯正中に食べれない時の対処法
- 痛みを和らげる具体的な対策
- 矯正の痛みで寝れない時の対策
- 心理的なアドバイス:ポジティブな心構えで乗り切ろう
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:痛みと向き合いながら矯正治療を成功させよう
1.矯正治療の痛みとはどんなもの?
1-1.痛みのメカニズム
矯正装置が歯に対して動かす力を加えると、歯の周囲にある顎の骨が作り変えられ、歯が移動していきます。
この歯を動かす力によって、歯の周囲の神経や血管が一時的に刺激され、痛みや違和感が生じます。
これは正常な矯正治療のプロセスの一部ですが、患者さんにとっては慣れない不快感となることが多いでしょう。
痛みの程度によっては、食べれない、寝れない、死にそうと思う、そんな方もおられたりします。
1-2.痛みが出やすい場面
矯正治療では、歯に力を加えて徐々に正しい位置へと移動させます。
そのため、歯や歯ぐきが強く圧迫される感覚や痛みを伴うことが一般的です。
痛みは、以下のような場面で特に感じやすいです。
- 矯正装置の初回装着時
初めてワイヤーやブラケットを装着すると、歯全体に大きな力がかかるため、鈍い痛みを感じやすくなります。 - 調整後の痛み
定期的な調整では、ワイヤーが締め直されるため、再び歯が動き始めます。このときも歯に痛みが出ることが多いです。 - ゴムやインビザラインの交換時
ゴムを使った顎間ゴム(ゴムかけ)や、インビザラインのアライナー交換時にも、新しい力が加わるため痛みが発生します。
1-3.痛みの感じ方には個人差がある
痛みの度合いには個人差があります。
「死にそうなくらい痛い」と感じる患者さんもいれば、「思ったより大したことない」と言う方もいます。
このように、矯正治療中の痛みはその人の痛覚や耐性、歯並びの状態によって大きく異なります。
したがって、自分だけが痛みに苦しんでいるのではなく、多くの患者さんが同じ悩みを共有しています。
2.矯正治療の痛みはいつまで続くのか?
「痛みはずっと続くのか?」という質問もよくありますが、ほとんどの場合、痛みは一時的です。
ここでは、各段階ごとの痛みの期間を具体的に説明します。
- 初回装着時の痛み
最初に装置を装着した後の痛みは、数時間後がピークです。その後、日に日に痛みは弱くなっていき、1週間ほどで痛みが和らぎ、多くの患者さんが違和感なく過ごせるようになります。 - 調整後の痛み
毎月の調整後も、同様に数時間後が最も痛く、その後数日間から1週間くらいで落ち着きます。調整後の痛みは慣れてくると軽減され、治療後半になると痛みをほとんど感じなくなる患者さんもいます。 - インビザラインの場合
アライナー交換時の痛みは、交換直後から数日間がピークとなることが多いです。ただし、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないと言われています。
3.矯正中に食べれない時の対処法
矯正治療中に「食べれない」と感じることは少なくありません。
特に装置を装着した直後や調整後は、噛むと痛みが強くなるため、食事が億劫に感じられます。
しかし、適切な工夫をすることで、無理なく食事を続けることができます。
3-1.柔らかい食べ物を選ぶ
初期段階では、硬いものを避け、以下のような柔らかい食べ物を選ぶのがおすすめです。
- お粥や雑炊
- うどん、そうめん、スープ
- スムージーやヨーグルト、プリン
- 豆腐、茶碗蒸し
3-2.食事の工夫
- 一口サイズに切る
大きな食べ物を小さく切り、噛む回数を減らすことで痛みを軽減できます。 - 常温の食べ物を選ぶ
熱すぎるものや冷たすぎるものは歯に刺激を与えるため、常温の食べ物を摂るのが良いです。
4.痛みを和らげる具体的な対策
4-1.市販の痛み止めを活用する
痛み止め(鎮痛剤)は、矯正治療中の痛みを軽減するための強い味方です。
市販の痛み止め(イブプロフェンやロキソニンなど)は、比較的速やかに痛みを和らげます。
- 服用のタイミング
調整後に痛みを感じ始める前に服用すると、効果的に痛みを抑えることができます。痛み止めは、痛くなってから服用するよりも、痛みが出始める前に服用した方がよく効くためです。
4-2.冷却する
痛みが強い部分を冷やすことで、炎症を抑え、痛みが和らぎます。
アイスパックや冷たいタオルを使って口の外側から冷やしましょう。
4-3.歯科用ワックスを使用する
矯正治療による歯の痛みとは異なりますが、矯正装置が口の内側に当たって痛い場合、歯科用ワックスを使うと痛みが緩和されます。
特にブラケットが頬や唇に当たるときに効果的です。
5.矯正の痛みで寝れない時の対策
矯正治療中の痛みで寝れない夜が続くと、体調にも影響を与えます。
ここでは、快適に眠るための具体的な対策を紹介します。
- 痛み止めを寝る前に服用
夜間の痛みがひどい場合、寝る前に痛み止めを服用すると、質の良い睡眠が得られます。 - 快適な寝姿勢を探す
装置が気になる場合、枕の高さや寝る方向を調整してみましょう。 - リラックスする習慣を持つ
寝る前に温かい飲み物を飲む、軽いストレッチをするなど、リラックスする時間を作ることで、痛みを感じにくくなります。
6.心理的なアドバイス:ポジティブな心構えで乗り切ろう
矯正治療は痛みが出ることが自然であり、長期間にわたるため、痛みを完全に避けることはできません。
しかし、ポジティブな心構えを持つことで、治療を続けやすくなります。
- ゴールを意識する
「美しい歯並びを手に入れる」という明確な目標を持つことで、痛みを乗り越えるモチベーションが生まれます。 - 周囲のサポートを活用する
家族や友人に相談し、サポートを受けることも重要です。また、インターネットの「知恵袋」などで他の患者さんの体験談を読むことも、不安を和らげる助けになります。
7.よくある質問(Q&A)
Q1:矯正治療の痛みが強いときは治療を中断すべきですか?
A:基本的には治療を中断する必要はありません。矯正治療の痛みはごく短期間であり、数日で徐々に慣れることで軽減されるものです。ただし、異常に強い痛みや腫れが続く場合は、早めに担当医に相談しましょう。適切なアドバイスや調整で痛みを和らげることも可能です。
Q2:痛み止めを毎日使っても大丈夫ですか?
A:市販の鎮痛剤は短期間の使用であれば問題ありませんが、長期的な使用は歯科医師に相談することをおすすめします。痛みが治まらない場合には相談が必要です。
Q3:痛くて食べれない時は、どんな対処法がありますか?
A:痛み止めを服用することや、食べるものを小さく細かく切ったり、柔らかく煮込んだりすることが有効です。また、スープ、プリン、ゼリーなどのように柔らかいものを召し上がることもおすすめですので取り入れてみてください。
8.まとめ:痛みと向き合いながら矯正治療を成功させよう
矯正治療中の痛みは避けられないものですが、その多くは一時的です。
装置の装着や調整後に痛みが発生しますが、痛み止めや柔らかい食事などの適切な対処法で無理なく治療を続けられます。
また、寝れない夜や食べれないといった問題に対しても、柔軟な対応と工夫で乗り越えていきましょう。
「死にそう」と感じるほどの痛みがあったとしても、美しい歯並びを手に入れるという矯正治療のゴールを意識し、治療のプロセスを前向きに捉えることが大切です。
不安なことがあれば、担当医に相談し、サポートを受けながら進めていきましょう。
また、インターネット上の「知恵袋」などを活用し、他の患者さんの体験談やアドバイスを参考にするのも良いでしょう。
治療中の痛みや不安に対して、一人で抱え込むことなく積極的に情報を集め、サポートを受けることで心の負担を減らしましょう。
治療のゴールに向けて一歩一歩進んでいくことで、最終的には理想の笑顔を手に入れることができます。
痛みや不便さを乗り越えた先には、素晴らしい未来が待っています。
矯正治療を始めるか悩んでいる方、または既に治療を進めている方も、本記事で紹介した対処法を実践してみてください。
不安なときは担当医に相談することを忘れず、周囲のサポートを得ながら治療に取り組んでいきましょう。
矯正治療が終わったとき、きっと努力が報われたと感じる瞬間が訪れます。
当院では、一人ひとりの患者さんに最適な矯正治療を提案し、治療中も患者さんが相談しやすい快適な環境を作るよう心掛けています。
矯正治療に興味のある方はお気軽にご相談ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事を読んだ方が、より良い矯正治療を受けられることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。