初回カウンセリングとは WEB予約 086-253-7755
blog
医療コラム
医療コラム
2024.12.07

【やらなきゃ良かったセラミック矯正:削る前に知るべきリスクと失敗】


こんにちは、岡山矯正歯科の院長 田川 淳平です。

「歯並びを美しく整えたい」、「笑顔に自信を持ちたい」という思いから、セラミック矯正を検討する方は少なくありません。

特に、短期間で美しい見た目を手に入れられることが特徴のセラミック矯正は、芸能人や忙しい方々の間で注目を集めています。

しかし、この治療法には見逃せないリスクやデメリットが存在します。

本記事では、セラミック矯正の基本情報からメリット・デメリット、実際の失敗例、代替案に至るまでを詳しく解説し、後悔しないための情報を提供します。

  1. セラミック矯正とは?その基本と特徴
  2. セラミック矯正のメリットと芸能人に人気の理由
  3. 「やばい」と言われる理由:セラミック矯正のデメリット
  4. 実際の失敗例:「やらなきゃ良かった」と後悔するケース
  5. セラミック矯正が向いていない人とは?
  6. 費用の真実:初期費用とメンテナンス費用の注意点
  7. 削るリスク:健康な歯に与える影響
  8. 出っ歯や他の症状にセラミック矯正が不向きな理由
  9. 後悔しないための選択肢:セラミック矯正の代替案
  10. まとめ:セラミック矯正を考える前に確認すべきこと
セラミック矯正をやらなきゃ良かったと後悔する前にこの記事をお読みください。
セラミック矯正をやらなきゃ良かったと後悔する前にこの記事をお読みください。

1.セラミック矯正とは?その基本と特徴

セラミック矯正は、歯列矯正とは全く異なるアプローチで歯並びを整える治療法で、セラミック矯正をやった芸能人を知っている方もおられるでしょう。

通常の矯正治療は、歯を矯正装置で動かしていき、歯並びや嚙み合わせを整えていきますが、セラミック矯正は、歯を大きく削る方法で、歯を削りセラミックなどのかぶせを装着することによって歯の形や位置を調整します。

通常の矯正とは違い、期間が短く即座に変化が得られることから、美容目的で選ばれることが多いです。

1-1.セラミック矯正の流れ

  1. カウンセリングと計画作成 患者さんの希望や口内の状態を確認し、治療計画を立てます。
  2. 歯の削合(削る) 既存の歯を削ってセラミックを装着する準備をします。
  3. 仮歯の装着 本番のセラミックが完成するまで仮歯を装着します。
  4. 最終セラミックの装着 仮歯を外し、セラミックのかぶせを接着します。

1-2.セラミック矯正の種類

  • かぶせ(クラウン):歯全体を覆うタイプで、大きく削る必要があります。
  • ラミネートベニア:歯の表面だけを削る方法で、かぶせよりは少し削る量が少ないのが特徴です。

1-3.注意すべきポイント

  • 健康な歯を削る必要があるため、元の歯に戻すことはできません。
  • 削る量によっては歯の神経を取る必要があり、歯は神経を取ると寿命が短くなります。
  • 噛み合わせや耐久性に影響を与える可能性があります。
  • 適切な噛み合わせを維持するためには歯科医の高い技術が必要です。

2.セラミック矯正のメリットと芸能人に人気の理由

セラミック矯正が注目される理由は、特に以下のメリットにあります。

2-1.短期間で見た目を大幅改善

一般的な歯列矯正では1~2年以上かかることが多いですが、セラミック矯正では数週間から数か月で終了します。

この即効性が、特に芸能人やイベントを控えた方に支持されています。

2-2.カスタマイズ可能なデザイン

セラミックは患者さんの希望に応じて色や形を自由に調整できます。

歯列矯正では歯の形や色を変えることはできないため、歯を白くしたり、大きさを調整したい患者さんにとっては、理想の笑顔を実現できるかもしれません。

2-3.見た目が自然で美しい

セラミック素材は光の反射が自然なため、天然の歯に近い見た目を得られます。

これが「セラミック矯正をしている」と気づかれにくい理由です。

2-4.芸能人の成功例による影響

多くの芸能人がセラミック矯正を行い、劇的な変化をSNSやテレビで披露しています。

この結果、「自分も短期間であのような笑顔を手に入れたい」という気持ちが高まります。

2-5.他の審美歯科治療との比較

  • ホワイトニングとの違い:セラミック矯正は歯並びや形状を変えることができますが、ホワイトニングは色の改善に限られます。
  • 矯正治療との違い:セラミック矯正は短期間で結果が得られる反面、歯を大きく削る必要があります。

3.「やばい」と言われる理由:セラミック矯正のデメリット

セラミック矯正は治療期間の短さを重視する人に適していますが、デメリットも多いため、「やらなきゃ良かった」と後悔する方も多く、慎重な検討が必要です。

3-1.健康な歯を削るリスク

歯を削る量が多いほど、神経や歯の強度に悪影響を与えるリスクが高まります。

また、削る際に歯が薄くなり、温度や刺激に敏感になることがあります。

歯を大きく削る場合には、歯の神経を取ってしまうのですが、神経を取ると歯の寿命が短くなります。

神経の処置が失敗していると、歯の寿命がかなり短くなってしまい、「やばい」、「やらなきゃ良かった」というような治療をされてしまった患者さんも中にはおられます。

このため、私としてはセラミック矯正はお勧めしません。

3-2.長期的なメンテナンスの必要性

セラミックは耐久性が高いですが、完全に永久的ではありません。

通常、10年程度で交換が必要となります。

そのため、長期的な費用負担を考慮する必要があります。

3-3.経済的負担

初期費用が高額であることに加え、破損時や交換時の追加費用が発生します。

一度治療を始めると、メンテナンスを続ける必要があるため、経済的負担が大きくなる場合があります。

3-4.感覚の違和感

セラミックは天然の歯とは異なる素材であるため、噛み合わせや食感に違和感を覚える人もいます。

これが生活の質に影響を与える可能性があります。

3-5.倫理的な問題

歯を削ることで健康な歯を損なうリスクがあるため、一部の歯科医師や専門家からは推奨されないこともあります。

3-6.心理的影響

  • 「本当に必要だったのか」という後悔の感情が発生する可能性があります。
  • 治療後に違和感を抱え続けることで、自信を失う人もいます。
セラミック矯正には健康な歯を大きく削るデメリットがあります。
セラミック矯正には健康な歯を大きく削るデメリットがあります。

4.実際の失敗例:「やらなきゃ良かった」と後悔するケース

ケース1.健康な歯を削った結果、神経を失う

ある30代女性は、短期間で美しい笑顔を手に入れるためにセラミック矯正を選択しました。

しかし、治療後に歯の痛みが続き、最終的に神経を抜くことになりました。

この結果、歯の寿命が短くなり、「やらなきゃ良かった」と深く後悔しています。

ケース2.セラミックの破損で高額な修理費用

ある40代男性は、治療後2年でセラミックが割れてしまいました。

修理には追加で数十万円がの費用が必要となり、当初の予算を大幅に超えてしまいました。

さらに、その後も破損が続き、メンテナンスの費用負担が大きくなりました。

ケース3.見た目の不自然さに悩む

ある20代女性は、治療後の歯の形や色が期待していたものと異なり、不自然な見た目に仕上がってしまいました。

笑顔に自信を持つどころか、周囲から不自然だと指摘されることが増え、最終的に別の治療法を選ぶような失敗となりました。

ケース4.噛み合わせの問題で長期的な影響が発生

ある50代男性は、セラミック矯正後に噛み合わせが変わり、違和感を感じるようになりました。

咀嚼時の痛みが続き、結果として食事の楽しみが大きく損なわれてしまいました。


これらのケースから分かるように、短期間での見た目の改善を優先することで、長期的に深刻な問題が発生する可能性があることを十分に理解しておく必要があります。

5.セラミック矯正が向いていない人とは?

セラミック矯正は誰にでも適しているわけではありません。以下のような方には不向きです。

5-1.健康な歯を削りたくない方

セラミック矯正では、健康な歯を大幅に削る必要があります。

そのため、削ることに抵抗がある方にはお勧めできません。

5-2.歯並び全体を改善したい方

セラミック矯正は主に見た目を整えることに適しており、歯並び全体の根本的な改善には不向きです。

出っ歯や噛み合わせの問題がある場合、矯正治療のほうが適しています。

5-3.費用を抑えたい方

セラミック矯正の費用は非常に高額であるため、予算に制限がある方には負担が大きい治療法となります。

矯正治療も自費治療であるため、同様に高額なのでは?と思われる方もおられるかもしれませんが、上下で何本もの歯にセラミックのかぶせを入れて、何年か毎にそのかぶせをやりかえると考えると、セラミック矯正の方が高くつくわけです。

5-4.長期間の安定を求める方

セラミック矯正は見た目の改善が早い一方で、経年劣化や破損のリスクがあり、長期間の安定には限界があります。

そのため、持続的な結果を求める方には不向きです。

6.費用の真実:初期費用とメンテナンス費用の注意点

セラミック矯正は高額な治療法であり、事前に費用について十分に理解しておくことが重要です。

6-1.初期費用

セラミック矯正の初期費用は1本あたり5万円から15万円程度とされています。

口全体の治療を行う場合、総額は数十万円から数百万円に達することがあります。

6-2.メンテナンス費用

セラミック素材は耐久性が高いものの、経年劣化や破損が避けられません。

そのため、以下のような追加費用が発生する可能性があります:

  • 交換費用:通常10年毎に交換が必要となることが多いです。
  • 修理費用:セラミックの破損や剥がれが発生した場合の修理費用。
  • メンテナンス費用:定期的なメンテナンスやクリーニングの費用。

6-3.費用対効果の検討

初期費用が高額であるため、長期的な維持費用を考慮したうえで治療のコストパフォーマンスを評価することが大切です。

他の治療法と比較し、自分の希望や予算に合った選択をすることが重要です。

7.削るリスク:健康な歯に与える影響

セラミック矯正で歯を削ることは、以下のようなリスクを伴います。

7-1.神経への影響

歯を削ることで神経が露出し、痛みや知覚過敏を引き起こす可能性があります。

場合によっては神経を抜く必要が生じることもあります。

歯はその神経を取ってしまうと寿命が短くなりますので、なるべくなら歯の神経は残しておきたいものなのです。

7-2.歯の強度の低下

削る量が多ければ多いほど、歯自体の強度が弱くなり、欠けたり折れたりするリスクが高まります。

7-3.虫歯や歯周病のリスク増加

セラミックと歯の接着部分に隙間が生じると、天然の歯とは異なり、その隙間から虫歯が発生するリスクが高くなります。

また、その隙間に汚れが溜まることにより、歯周病のリスクも高まります。

7-4.噛み合わせへの影響

削ることで噛み合わせに変化が生じ、顎関節症や咀嚼機能の低下を引き起こす可能性もあります。

セラミック矯正で歯を削ると、歯の神経を取ってしまうこともあります。
セラミック矯正で歯を削ると、歯の神経を取ってしまうこともあります。

8.出っ歯や他の症状にセラミック矯正が不向きな理由

セラミック矯正はデコボコな見た目の改善には適していますが、出っ歯や噛み合わせの問題には効果的ではありません。

8-1.出っ歯の根本的な改善が難しい

出っ歯の方の場合、前歯の位置を大きく後に移動させる必要がありますが、セラミック矯正ではこれが不可能です。

そのため、出っ歯の方はセラミック矯正ができない人であり、根本的な解決には矯正治療が必要です。

8-2.噛み合わせの問題への対応不足

噛み合わせの改善には歯全体の動きを伴う治療が必要であり、セラミック矯正では対応できない場合があります。

8-3.他の治療法との比較

以下の矯正装置を用いて行う矯正治療が出っ歯や噛み合わせの問題に適しています:

  • アライナー矯正:透明なマウスピースを使用し、歯を段階的に移動させる治療法。
  • ワイヤー矯正:ワイヤーとブラケットを使用し、歯を効率的に動かす方法。

9.後悔しないための選択肢:セラミック矯正の代替案

セラミック矯正を検討する前に、以下の代替案を検討してください。

9-1.インビザラインやワイヤー矯正

矯正治療は時間がかかりますが、歯を削らずに歯並びを根本的に改善することができます。

特にインビザラインは目立ちにくく、取り外しが可能なため人気があります。

10.まとめ:セラミック矯正を考える前に確認すべきこと

セラミック矯正は、短期間で歯並びや見た目を劇的に改善できる治療法として注目されています。

芸能人でセラミック矯正をした方を見て、興味がある方も多いでしょう。

しかし、その一方で、健康な歯を削るリスクや、治療後に失敗して、やらなきゃ良かったと後悔するケースも少なくありません。

以下のポイントを確認し、慎重に検討することが重要です。

確認すべきポイント

  1. 歯を削るリスクを理解する:健康な歯を削ることの長期的な影響を考慮してください。
  2. 費用とメンテナンスの計画を立てる:初期費用だけでなく、交換や修理費用などの長期的な費用負担も確認しましょう。
  3. 自分に適した治療法を選ぶ:出っ歯や噛み合わせの問題など、セラミック矯正が適していないケースでは他の治療法を検討するべきです。
  4. 矯正治療の専門家に相談する:適切な診断と治療計画を立てるために、信頼できる専門家に相談しましょう。

最後に

セラミック矯正は、美しい笑顔を手に入れるための選択肢の一つに過ぎません。

他にもさまざまな治療法が存在し、それぞれにメリットとデメリットがあります。

後悔しないためにも、自分の希望やライフスタイルに合った方法を慎重に選びましょう。

当院では、一人ひとりの患者さんに最適な矯正治療を提案し、治療中も患者さんが相談しやすい快適な環境を作るよう心掛けています。

矯正治療に興味のある方はお気軽にご相談ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この記事を読んだ方が、より良い矯正治療を受けられることを願っています。

今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。

BACK