こんにちは、岡山矯正歯科の院長 田川 淳平です。
矯正治療は、歯並びや噛み合わせの改善に必要な治療であり、子供から大人まで多くの人にとって大切な医療行為です。
しかし、その費用は高額になりがちで、治療をためらう方も少なくありません。
そんな中、矯正治療は条件を満たせば医療費控除の対象となり、税金の一部を還付してもらえることがあることをご存じでしょうか?
この記事では、矯正治療が医療費控除の対象となる条件や手続き(やり方)、確定申告の方法を詳しく解説し、診断書や領収書の準備、そして分割払いやローンを利用した場合の注意点についても説明します。
子供や大人の矯正治療を対象に、賢く節税するためのポイントを確認しましょう。
- 矯正治療は医療費控除の対象になる?
- 医療費控除の対象金額とその計算方法
- 医療費控除申請の必要書類
- 確定申告の手順(やり方)と必要書類
- 矯正治療における医療費控除のメリットと注意点
- まとめ:矯正治療を賢く行い、医療費控除を最大限に活用しよう
1.矯正治療は医療費控除の対象になる?
1-1.医療費控除の基本的な仕組み
医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に、その超過分を所得税から控除できる制度で、確定申告の際に書類を提出することでできる制度です。
この控除を利用することで、矯正治療のような高額な治療費を支払った際に、税金の還付がいくらか受けられる可能性があります。
控除の対象となる金額はいくらでもというわけでは無く、最高で200万円で、支払った医療費の合計が10万円を超えた分(別の計算式を適用する場合もあります)が該当します。
医療費控除は、申告者本人だけでなく、配偶者や扶養家族などの生計を一にする世帯の医療費を全て合算して申請が可能です。
1-2.矯正治療が控除対象となるケース
矯正治療は、噛み合わせの改善などの医療目的で行われる場合、医療費控除の対象になります。
ただ、矯正歯科専門のクリニックで矯正治療が行われる場合、基本的には嚙み合わせの改善を行うのが当たり前です。
このため、患者さんが子供でも大人でも、矯正歯科専門のクリニックで矯正治療を行う場合には、その矯正治療はほとんどの場合で医療費控除の対象となるはずです。
私の20年近くの矯正歯科経験で、医療費控除にできなかった患者さんというのは聞いたことが無いです。
2.医療費控除の対象金額とその計算方法
2-1.控除される金額の計算
医療費控除はいくらまでが対象となるかと言うのが気になるところだと思います。
医療費控除の対象となる金額は最高で200万円で、支払った医療費の合計から10万円を引いた分(別の計算式を適用する場合もあります)が該当します。
矯正治療にかかる費用は、年間の医療費として申告することができ、特に高額になる場合が多い矯正治療費は、この控除制度の恩恵を受けやすくなります。
詳しくはコチラを。
2-2.子供の矯正治療費
子供の矯正治療は、成長段階に応じて数年間かけて行うことが一般的です。
費用は30万円〜100万円程度が目安となりますが、治療期間中に発生する支払いが医療費控除の対象となります。
デンタルローンなどの分割払いを選択した場合でも、各年の支払い分が申告対象となりますので、支払い時期に応じて正確に申請を行うことが大切です。
2-3.大人の矯正治療費
大人の矯正治療も同様に、高額な費用がかかるケースが多いですが、容貌を美化する目的では無くて、お口周りの機能を向上させる医療目的であれば一般的に控除対象です。
例えば、咬合の問題を改善するためや、口腔機能を向上させるために矯正治療を行う場合、その費用は申告可能です。
治療費の平均は70万円から150万円程度で、こちらも分割払いが可能な場合が多く、毎年の支払いに応じて控除を受けることができます。
2-4.医療機関に通うための交通費も
治療に通うための通院費も医療費控除の対象となります。
ただ、公共交通機関のみが対象ですのでご注意ください。
3.医療費控除申請の必要書類
3-1.領収書の保管が重要
医療費控除を受ける際に最も重要な必要書類が領収書ですので、領収書の保管が必要です。
矯正治療の支払いが高額であるため、すべての支払い記録をしっかりと保管し、確定申告時に提出できるよう準備しておく必要があります。
特に分割払いを利用している場合、各年の支払いに対する領収書(分割払いの場合には、歯科医院の領収書だけでは無く、ローンの信販会社との契約書や領収書が必要です)を紛失しないよう注意しましょう。
3-2.診断書は必要か?
矯正治療の医療費控除において、必ずしも診断書が必要なわけではありませんが、治療が機能の向上という医療目的であることを証明するために診断書を用意しておくと安心です。
特に税務署から確認を求められた場合に備えて、治療開始時に担当医に診断書を依頼しておくと良いでしょう。
ただ、私が聞いたところでは、基本的には診断書が無くても患者さんは皆さん医療費控除を受けられていました。
3-3.分割払いでも医療費控除が受けられる
分割払いを選んだ場合でも、その年に支払った金額が医療費控除の対象となります。
ローンを利用した場合も同様で、支払いが発生した年度に応じて申請することが可能です。
分割払いの場合は、各年度ごとの支払いに対して信販会社から契約書や領収書を受け取り、しっかり保管しておくことが大切です。
4.確定申告の手順(やり方)と必要書類
4-1.確定申告の基本手順(やり方といつ)
医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。
確定申告はいつ行うかと言うと、毎年2月16日から3月15日までの期間に行われ、税務署へ申請するか、電子申告(e-Tax)を利用して申告します。
確定申告は期間が決められていますので、事前に準備をして、いつ行うかということを忘れないようにしましょう。
申請の際には、領収書、診断書、医療費の明細書や交通費の領収書を提出します。
4-2.オンライン申告の利便性
最近では、電子申告(e-Tax)の利用が広がっており、書類の提出や申請手続きがオンラインで完結するため非常に便利です。
特に、領収書の提出を電子データで行えるため、紙の書類を持参する必要がなくなります。
電子申告を利用することで、申請がスムーズに進むことが期待されます。
提出書類のチェックポイント
- 領収書:矯正治療以外のものも含めて、支払いが確認できるすべての領収書を提出します。
- 診断書:必要に応じて、医療目的の治療であることを証明するための診断書を添付します。
5.矯正治療における医療費控除のメリットと注意点
5-1.高額な治療費を節約できる
矯正治療は非常に高額な治療となることが多いため、医療費控除を活用することで家計に大きなメリットをもたらします。
特に子供の矯正治療は、治療が長期間にわたるため、毎年の医療費を申告することで継続的に控除を受けることができます。
5-2.ローンや分割払いでも対応可能
矯正治療の費用は、一括での支払いが難しい場合、分割払いやローンを利用することも可能です。
ローンを組む場合でも、支払いが発生した年度に対して医療費控除が適用されるため、分割であっても控除を受けることが可能です。
ただし、利息部分は控除の対象外となるため、申告時には利息を除いた額を正確に申請しましょう。
5-3.診断書と領収書の重要性
矯正治療の際、診断書と領収書の保管が非常に重要です。
医療費控除を申請する際、治療が医療目的であることを証明するために、診断書が求められることも稀にあります。
また、医療費控除の申請では、支払いが確認できる領収書は不可欠です。
申告時には、これらの領収書を元に医療費控除の明細書を正確に記入し、確定申告を行う必要があります。
5-4.家族全員の医療費をまとめて申請できる
医療費控除は、申請者本人だけでなく、配偶者や扶養家族にかかった医療費も合算して申告することが可能です。
例えば、お子さんの矯正治療費と、自分や配偶者の医療費をまとめて申告すれば、より多くの控除を受けることができます。
家族の中で最も税率の高い人がまとめて申告することで、節税効果が高まることもあります。
6.まとめ:矯正治療を賢く行い、医療費控除を最大限に活用しよう
矯正治療は、多くの場合高額な費用がかかりますが、医療費控除を活用することで、家計への負担を大幅に軽減することが可能です。
特に、診断書や領収書の準備をしっかり行い、確定申告で正しく手続きを行うことで、支払った医療費のいくらかが還付されます。
また、分割払いやローンを利用していても、支払いが発生した年度に控除を受けることができます。
特に子供の矯正治療は長期間にわたるため、毎年の支払いをしっかりと申告し続けることで、持続的に節税を行うことが可能です。
また、家族全体の医療費を合算して申請することで、より多くの控除を受けることができる点も見逃せません。
矯正治療を始めた際には、確定申告の際の医療費控除の準備のために、事前に領収書などの必要書類を準備しておくことが大切です。
賢く医療費控除を活用し、矯正治療を通じて健康な歯並びとともに、家計の負担も軽減しましょう。
当院では、一人ひとりの患者さんに最適な矯正治療を提案し、治療中も患者さんが相談しやすい快適な環境を作るよう心掛けています。
矯正治療に興味のある方はお気軽にご相談ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事を読んだ方が、より良い矯正治療を受けられることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。