皆さま、こんにちは。
岡山矯正歯科の院長、田川 淳平です。
当院は岡山県岡山市の岡山駅前にあり、歯並びや嚙み合わせを治療する矯正治療を専門としているクリニックです。
当院では、従来のワイヤーの装置だけでは無く、装置が目立たないアライナー矯正(マウスピース矯正)も得意としています。
皆さまの中には、「口ゴボ」という言葉を聞いたことがある方もおられるかもしれません。
口ゴボは口元の状態を表す言葉なのですが、その発祥はなんと!
歯医者さんが使っていた用語では無く、患者さんがSNSなどで使っていた言葉が一般化されたもの。
では、口ゴボとはどんなものなのか?
今日は、口ゴボの特徴やその影響、原因や矯正治療などについてを日本矯正歯科学会の認定医である院長がお話させて頂きます。
- 口ゴボとは?
- 口ゴボの影響
- 口ゴボの原因
- 口ゴボの矯正治療
- よくある質問
- 最後に
1.口ゴボとは?
口ゴボは簡単に言うと、口元(唇)がゴボっと前に出てしまっている状態。
唇が前方に突き出てしまっていることを指す言葉です。
この画像のような感じですね。
歯医者さんが元々使っていた用語では無く、患者さんがSNSなどで使っていた言葉が少しずつ広まっていき一般化されたもので、今では歯医者さんも使うことがあるほどです。
ネットの時代ならではだなあ、と感じます。
このブログのタイトルが書かれたアイキャッチ画像にはお魚の画像を使用しましたが、あのお魚のように唇が前に尖ってモコっとしている方を見たことがあったり、ご自身に当てはまるなと思われた方もおられるでしょう。
有名人で言うと、歌手の「米津玄師」さんは歌手としてデビューした当初は口ゴボでしたが、現在は矯正治療を受けて口ゴボでは無くなっています。
2.口ゴボの影響
口ゴボは外見や健康、心理面にさまざまな影響を及ぼします。
以下に具体的な影響を詳しく説明します。
1.外見の変化
- 横顔のバランス:口ゴボは唇が前方に突き出しているため、横顔のバランスが崩れます。
- 口元の印象:口ゴボの方は唇を閉じにくいため、口を閉じた時でも口が半開きに見えることがあります。これにより、表情が自然でなくなることがあります。
2.機能的な問題
- 噛み合わせの問題:口ゴボであると、上下の前歯が正しく噛み合わないことが多く、食べ物をうまく噛み砕けないことがあります。
- 呼吸の問題:口ゴボの方は口呼吸になりやすく、口の乾燥のリスクが増加します。
3.心理的な影響
- 自信の喪失:口ゴボであることで、自分の外見に対する自信を失うことがあります。特に、他人の目を気にする年齢層では、口ゴボが心理的な負担となり、社交的な場面での不安やストレスを感じることがあります。
- 社会的な影響:口ゴボの外見に対する過度の意識が、社会的な活動を避ける原因となることもあります。
これらの影響を踏まえ、口ゴボの治療は外見だけでなく、全体的な健康と心理的な安定にも大きく寄与することが分かります。
口ゴボに対する早期の治療と適切なケアが、これらの問題を軽減し、生活の質を向上させるために重要です。
3.口ゴボの原因
唇が前方に出てしまう口ゴボは、前歯が前方に出てしまうことにより起こります。
前に出た前歯が唇を前に押し出してしまっているわけです。
口ゴボは複数の要因によって引き起こされることが多く、遺伝的要因や環境的要因が関与しています。
以下に、口ゴボの具体的な原因を説明します。
1.遺伝的要因
- 骨格と歯の大きさ:親から子へと遺伝するアゴの骨格や歯の大きさの特徴が、口ゴボの原因となることがあります。アゴの骨格に対して歯が大きい場合には、口ゴボかガタガタのいずれかになりますが、骨格が小さい、または歯が大きいという特徴が遺伝すれば口ゴボになる可能性が高まります。
2.環境的要因
- 舌の位置:舌が下にある状態(低位舌)や、舌を前に押し出す習慣があると、舌によって前歯が前方に押し出されてしまい、口ゴボになりやすくなります。
- 口腔習癖:指しゃぶりや舌を前に押し出す癖、口唇を噛む癖などの口腔習癖は、前歯に対して悪影響を及ぼし、前歯を前方に押し出してしまい、口ゴボの原因となることがあります。
これらの原因を理解することで、口ゴボの予防や治療が可能となります。
4.口ゴボの矯正治療
口ゴボは唇が前方に出ている状態であり、その原因は前歯が前方に出てしまっていることです。
このため、口ゴボの矯正治療は前歯を後方に引っ込めることになります。
ただ、前歯を後方に引っ込めるためには大きなすき間が必要です。
矯正治療のために歯を抜く場合があることをご存知の方も多いと思いますが、前歯を引っ込めるすき間を作るために歯を抜くことは多くあります。
一般的には、抜く歯は前歯から数えて4番目の歯であり、その歯を抜いてできたすき間に前歯を動かしていき、前歯の位置を後方に引っ込めていきます。
ただ元々、歯と歯の間に大きなすき間がある患者さんの場合には、歯を抜かないこともあります。
口ゴボの矯正治療に用いる装置は、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも当院であればどちらでも可能です(以前のブログで、マウスピース矯正に対して不安がある方へ向けて記事を書いていますので、もしよろしければソチラもご覧ください。)。
また、前歯のみでは無く、アゴの骨自体が前方に出てしまっている場合には、前歯を後方に引っ込めても口ゴボの改善量は小さくなってしまいます。
アゴの骨自体が出ている方には外科的矯正治療と言って、外科手術でアゴの骨の位置を変える治療方法を提案する場合もあります。
ご自身が歯を抜く必要があるのか、または無いのかは一度岡山矯正歯科の初診カウンセリングに来院して頂き、ご相談頂ければと思います。
5.よくある質問
以下に、口ゴボの矯正治療に関するよくある質問とその回答を具体的に示します。
1.口ゴボの治療にどれくらいの期間がかかりますか?
回答:治療期間は患者さんの症状や選択した治療法によりますが、一般的には2年から4年程度です。定期的な通院と矯正装置の調整が必要です。具体的な期間は初診カウンセリングでお話させてください。
2.矯正装置が目立つのが気になります。目立たない方法はありますか?
回答:透明なマウスピースを使用することで、矯正装置を目立たなくすることができます。歯科医師と相談して、自分に合った方法を選びましょう。
3.子どもにも口ゴボの矯正治療はできますか?
回答:口ゴボの矯正治療は、大人の歯に生え変わった後に、大人の歯を何本か抜いて治療を行うことになります。大人の歯への生え変わりが完了するのは大体、小学6年生から中学1年生くらい。このため、中学生くらいから口ゴボの矯正治療がスタートしますが、骨格のタイプなどによっては小学生の間の早期の治療が必要になることもありますので、適切な治療開始時期については、当院でご相談ください。
4.矯正治療後に再発することはありますか?
回答:矯正治療後には後戻りと言う再発を防ぐために保定装置(リテーナー)を適切に使用して頂きます。しかし、元々の口ゴボの原因が舌の位置や口腔習癖であり、尚且つその舌の位置や口腔習癖が改善していなければ、再発の可能性が高くなります。
6.最後に
今回は、口ゴボの特徴やその影響、原因や矯正治療などについて詳しくご紹介しました。
この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- 口ゴボとは:口ゴボは、口元(唇)がゴボっと前方に突き出てしまっている状態です。
- 影響:口元が出ているため、横顔のバランスが崩れたりします。
- 原因:
- 骨格や歯の大きさといった遺伝的要因
- 舌の位置や習癖といった環境的要因
- 口ゴボの矯正治療:口ゴボの矯正治療は、一般的には前歯から数えて4番目の歯を抜いてすき間を作り、そのすき間に前歯を動かして後方に引っ込めることになります。
口ゴボは、その見た目をコンプレックスに思われている方も多いですが、矯正治療によって改善することが可能です。
岡山矯正歯科では、アライナー矯正やアライナー矯正装置以外にも目立ちにくい装置で、お仕事や学校生活を妨げることなく、口ゴボや歯並び改善のサポートができます。
お気軽にお問い合わせいただき、これからの一歩を一緒に踏み出しましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
このブログを読んで、口ゴボの矯正治療について知ってもっと知りたい、あるいは当院での初診カウンセリングで具体的な治療の相談をしたいと思って頂けた方は、是非当院にお越しください。
この記事を読んだ方が、より良い矯正治療を受けられることを願っています。
今後もどうぞご贔屓ご鞭撻のほどを。